「今日、窓からピアスを落としてしまい、取りに行ったんです。」
鳥籠
「そう。ピアス、大事になさいね。」
怒られると思ったのに、瑛香サンはいつもと変わらない表情だった。
そして、今日は慰める行為はしなくてよかった。
ぽかぽかした日差しの日。
少し外に出たいなぁと思いながら、部屋にいた。
相変わらず僕は部屋にいる日が続く。
「なぁに、零。」
「なんでもありません。」
「外に出たいのかしら?」
「え・・・。」
瑛香サンの顔は影で見えない。
「さっきから、外ばかり見てるもの。」
そう言い瑛香サンは近づき、僕の顔に触れる。
「・・・・・。」
「私の元から離れたい?」
瑛香サンはまるで嘲笑うかのような声で言う。
急に視界が遮られた。
「ふふふ・・・。外に出たいなんて言う子にはお仕置きが必要ね。」
「ちょ・・・・うぅー。」
口も塞がれる。
こんなことは初めてなので、僕はどうしていいか分からず、
だまっていた。
「っつ・・・。」
腕から赤いものが流れるのが分かる。
鋭いもので傷つけられたからだ。
瑛香さんは止めない。
「零が悪いのよ。私から逃げようとするから。」
いつの間にか僕は気絶していた。
血と精液まみれだった。
体中が痛く、しばらく立てそうにない。
でも僕はふらふらになりながらも立ち上がり、
シーツで体を拭き、くしゃくしゃの服を着る。
それから、
いままで大事にしていたピアスを外し、
窓側へと近づく。
窓の淵にソレを置く。
置いたものを眺めていると、ドアが開いた。
「・・・・何しているのっ!!」
包帯と薬を抱えた瑛香サンは動揺している。
普段なら、なかなか見ることができない表情だ。
「今までありがとうございました、エイカサン。」
「零!!何言ってるの。ここは5階よ!?」
「そんなことどうでもいいんだ。僕は零じゃない。」
窓に手を掛け下を見る。
「なんども姿を変えて僕を騙したんだろう、姉さん?」
「どうして!!」
「どうしてなの!?」
「何故私から逃げるの?」
「どうして!!」
「これでいいんだ・・・。」
空を彷徨いながら、落ちる鳥。
―自由を求め、束縛から逃げ出す僕はまるで、
鳥のよう。
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はい、一応完結いたしました。公開した次の日にまた書き直しました。
ですから、最初のバージョンは一日だけの公開いうことに。
終わりは微妙でしたか?
ほんとは間の危険物(笑)をいれたかったのですが。
一応、一般の方にも見ていただけるよう、
抑えました。え、それでもやばいって?
少しはいいじゃないですか、お許しを。
中間が読みたい方は、
いつか書いて裏ページを作るかもなんで、お楽しみを。
感想頂ければ幸いです。
オマケ
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